ドラえもん のび太の就活奮闘記
はじめに
自身の体験で得たことをB3、M1向けに書きました。私も毎年約40万人にいる就活生の一人だということを念頭に置いていただきたいです。
就活は決められた期間の中で必ず結果を出さなくてはいけない過酷なイベントだと思っています。受験に模試があるのと違って今現在自分がどの程度の実力か知る指標もないし正解が何かも分からない。ですが就活に向き合うことには意味があると思っています。なぜなら、これから社会に出て働く上で自分の特性、個性、長所を認識しておくことは人生を豊かにするために重要だと思うからです。今までの20数年を振り返ってみませんか。また就活中の方は身体を崩さないように頑張ってください。遠くからですが応援しています。
ドラえもん のび太の就活奮闘記
-2022年3月-
野比「ドラえも~ん!内定出す道具だしてよ~!」
ドラ「えぇっ!まだ内定なかったの?!」
ドラ「うーん。このままNNT*1で卒業したら、未来が変わるかも。。。そうだ!一緒に就職活動してみよう!」
~ドラえもん特有のBGM~
ドラ「ぼくがいなければハローワークにお世話になるとこだけど、タイムマシーンで過去の就職活動を見返してみよう!」
野比「やった!これでお祈りされても何度でm...」
ドラ「コラー!そんなことしたら平行世界で不幸なのび太君が増えちゃうじゃないか!」
野比「う、うん。ごめん、ドラえもん(なんか現実臭いな....コイツ)」
-2020年7月-
ドラ「あっ!インターンのES*2書いてるとこだね!えらい!ボクは関心した!]
野比「GAFA*3しか勝たん...GAFAしか勝たん...(鼻ホジ)」
ドラ「のび太君...まさかとは思うけど、GAFAしかエントリーしてないの?企業の知名度に左右されてない?」
野比「そ、そんなことあるか!バイトだってあるし...何より折角の夏休みだ!少しは自由にさせてくれ!」
ドラ「強制はしないけど、夏季インターン*4は早期選考に繋がったり、自分と企業がマッチしてるか知ることができたり、何より時給数千円のアルバイトより生涯年収を高めるほうが大事って思うかな」
野比「わかったよー!ボクが悪かったよー!でもES書けないから進まないんだ...みんなカンボジアに学校建てたり、全国大会優勝してたり、ボクには何もないんだ。。。助けてよ~」
ドラ「のび太くん!ガクチカ*5は派手さを重視してるわけじゃないんだよ!人事はのび太君の考え方や人間性を知りたいと思ってるんだ!」
野比「よし!それなら"あやとり大会で優勝しました。頑張りました。"っと」
ドラ「ダメ――――!」
野比「痛いじゃないか!心なしかジャイアンに殴られるより痛かった気がするし、なんかロン毛に見えたような...」
ドラ「ダメじゃないか!のび太君!それじゃあ、のび太君の良さが全く伝わらないよ!1年間努力したとか、周りの人の反応の変化とか、それによってのび太君は何を得たか、その経験を社会に出てからどう活かせるかを知りたいんだ!他にも強みや長所はモチベーション曲線をつくったり就活サイトの自己分析ツールを使うといいよ!」
野比「わかった!やってみる!」
-2020年8月-
ドラ「のび太君の実力だよ!当日は頑張ってね」
~当日~
人事「本日のインターンは選考には一切関係ありません。」
野比「(な~んだ。選考と関係ないのか。なんだか張り切ってたのに拍子抜けだ~)」
...
野比「ドッドラえもん?!なんでココに?!しかも合成が雑なような....」
ドラ「きみを心配して紛れ込んだんだよ。やっぱり人事の言葉に騙されたか...」
野比「なんのこと?!」
ドラ「1円でも利益をあげたい企業が平日の労働を犠牲にして、学生の時間を割くと思う?インターンも計画会議から人件費、時に学生の交通費、昼食代も出すのにまだ選考と一切関係ないと思う?」
野比「た、たしかに。。残りの時間は真面目に頑張るよ!」
-2020年9月-
野比「インターンと説明会にたくさん参加できたは良いけど、内定が貰えないと先に進んだ気がしないな~、ドラえもんに頼りっぱなしなのも悪いし自分一人でも頑張ってみよっと。"就活 内定 必勝法"で検索っと...へ~エージェントサービスか!無料だしやってみようかな!」
~その後のび太はエージェントと会う予定を立てた~
???「君が野比ノビロー君かい?」
野比「いやメジャーの外国人の先生みたいな呼び方やめてくださいよ!のび太です!」
???「失敬(笑)、申し遅れたね、僕はエージェントのAです。よろしく!」
野比「初めまして!実は僕内定が無くて...でも夢はあるんです!」
Aさん「すごいじゃんか!聞かせて(ニッコリ)」
野比「AIに対して関心が強く、将来は人工知能猫型ロボットを作りたいです!」
Aさん「ふ~ん。じゃあ、今はAIの研究をしてるの?」
野比「いや...具体的には研究室に配属されたばかりですし...就活で忙しくて、」
Aさん「のび太君のために言うけど、君の履歴書だとAIには通用しないかなぁ」
野比「そ、そんな~。あんまりだ~。。」
Aさん「でも僕に任せてくれれば大丈夫。今日来てくれて良かった!(ウインク)」
野比「詳しく教えてください!」
Aさん「このIT企業はどうかな?アットホームな職場で社員は家族!がモットーな企業で、受け持つ案件にはAIや自動運転、他にも物流システムのRPAだったり幅広い業種があるよ!」
野比「(僕の実力じゃ業界は選べないもんなぁ...)もっと聞きたいです!」
Aさん「任せて!他には幹部性候補募集とか20代で年収1,000万とか!」
...その後...
野比「エージェント最高!無料だし!」
ドラ「のび太君。エージェントの仕組みは理解してる?」
ドラ「就活エージェントは学生からはお金を取らないけど、求人をエージェントに出した企業に学生が内定した場合、エージェントに報酬が入る仕組みになっているんだ。たちの悪いエージェントは学生のやりたいことを全く聞かずに自分の報酬目当てで企業を紹介することもあるよ。もっと悪い例だと内定辞退したいって相談すると説教されて考え直すように言われることもある。」
野比「で、でも、入社してから幅広い案件に携われたり、アットホームな環境だったり、幹部候補になれたり、年収1,000万だって狙えるんだぞ!」
ドラ「確かに事実もあるかもしれないね。でも幅広い案件に関わるにしてもITには大きく分けて自社開発、受託開発*6、SESがあるし、SESの恐ろしさについては下の記事を読むといいよ。」
SESについて
ドラ「アットホームな職場環境って社内の人たちと会ってみなきゃ分からないよね?
社員は家族同然、家族同士の助け合いだから残業代は出ないとか言う企業もあるし、幹部候補も同じだね、マネージャー職になると残業代は出ないから基本給は低いままで良いように利用されるだけの可能性もある。年収1,000万に至っては平均値ではないよね?不動産やM&Aの規模が大きい案件は歩合によって年収の波は激しいと思うよ。それでものび太君がやりたいなら、僕は止めないけど、本当にやりたいことは違うんだろ?」
のび太「ハッ!」
※エージェントサービスは用法用量を守って正しく利用しましょう。
-2020年10月-
野比「う~ん。」
ドラ「どうしたの、のび太君?」
野比「合同説明会に参加しようか迷ってるんだ。行きたい企業があるわけでもないし」
ドラ「優先度は低いけどコロナ禍で学生同士の情報交換が少なかったり、他の学生の頑張ってる話聞くと良い刺激になるかもしれないよ!」
野比「私服可って書いてあるし、参加してみるか」
~当日~
???「野比君かい?」
野比「その声は...!」
出来杉「やっぱり野比君だ!こんなところで会うなんて珍しいね!」
野比「う、うん。(なんでこいつがココに!)」
野比「内定はあ、あるよ!そりゃね、たくさん!」
出来杉「さすが野比君!その人柄の良さをアピールできればきっと上手くいくと思ってたよ!」
出来杉「僕は今日で就活を終わろうと思っていてね。」
野比「ええ!もう終わり?!」
出来杉「今日みたいな逆求人イベントに結構足を運んでてね、自分が挑戦できそうな企業を見つけられたんだ。」
野比「そっか...でも、コロナでオンライン面接ばっかりで大変じゃなかった?」
出来杉「個人差はあると思うけど、僕は自己紹介を求められたときに、作成したパワポの資料を見せながら喋るようにしたんだ。その方が自分も落ち着いて話せるし、面接官もメモしやすいし、情報の誤りもなくなるよね。そういう臨機応変に対処できる準備はいくらでもあるから、意識してみると良いかも!」
野比「たしかに。。今日は参加して良かった!出来杉、ありがとう」
-2020年11月-
ピロンッ
野比「ん?メールか。なになに?」
"先日は弊社の冬季1dayインターンにお越しいただきありがとうございます。
この度は是非弊社の選考にご参加いただきたいと思い、ご連絡を差し上げました。"
野比「早期選考だ!やった!でもこれGD*7があるのかぁ。辞退しようかな」
ドラ「GDはコツさえ押さえればきっと突破できるから、選考受けてみようよ!」
~GD当日~
源「あら、のび太さんじゃない!」
剛田「今日はよろしくな!お前の手柄は俺の手柄」
骨川「聞いたぞのび太!お前内定あるんだって?(笑)グフフフフ」
???「あへ、あへへ。うぇ。しく。よろしっく。うぇ」
英一郎「野比さんインターンぶりですね。どうぞおかけください。」
野比「はい...ところでその合成魔獣のようなバケモンは誰だい?」
源「あら、はじめましてなのね。自己紹介できる?」
???「おで、ブ、ブタゴリラ。」
野比「ブタゴリラ...(こいつにだけは関わらないようにしよう)」
栄一郎「それではGDを始めてもらいます。テーマは未来の義務教育をどう変えるべきか、です。それでは10分間でまとめていただきます。はじめ!」
源「まずは役割分担しましょう」
野比「(よし、しずかちゃんがいるおかげでなんとかなりそうだぞ!)」
骨川「じゃあ僕チン、タイムキーパーやっちゃうもんね~」
剛田「早いもの勝ちか?!なら俺は書記やるぞ!文句は無いな?」
野比「(てめぇら、楽そうなジョブばっか選びやがって...!)」
源「剛田さんの字は誰も読めないわよ~、代わりに私がやるわ。」
野比「(このアマ、混乱に乗じて自分も逃げやがったか?!)」
ブタ「お、おでリーダぁ」
剛田「まて!リーダーは俺がやる。お前らリーダーが一番偉いってわかってるよな?」
野比「(まだ声量がある分ブタよりはマシか。どっちも見た目は変わらないが)、司会は僕がやるね、ブタくんはリーダーの補佐をお願い。はじめに問題の定義付けを行おう」
源「たしかに義務教育にしても小学校、中学校で異なるし、着眼点はしぼりたいわね」
剛田「俺は小学校を推すぜ、俺の青春だからな!★」
骨川「僕チンは中学かな~、嫌な思い出があるのもそうだけど、6年間より3年間で絞ったほうが考えやすいような...だよね!しずかちゃん!!」
源「そう思うわ」
剛田「しずかちゃんがそう言うなら...」
野比「あとはニュースでも話題になってるイジメによる不登校とか考えれたらいいよね」
源「私も同意見だわ、でも勉強の在り方に焦点を当てた方が良いと思うの。コロナで対面授業とか大変って聞くし、遠隔授業が上手くいくなら不登校問題にも効果的かもしれないわ」
骨川「さっすがしずかちゃん!」
ブタ「ジカン...ジカン...」
骨川「!!...ジャイアンあと1分で発表できるようにしてくれない?」
剛田「てめぇあとでボコボコにしてやるからな!」
骨川「ママ―――――!!!」
これが最後に聞いたスネ夫の言葉だった
-2020年12月-
野比「昼寝最高...ムニャムニャ」
ドラ「たしかに年末年始は繁忙期で忙しい企業が多くて、就活どころじゃない企業も多いけど、こういう時こそすることがあるよね?」
野比「ピーナッツを目で噛む?」
ドラ「ちがーう!SPIの勉強だよ!特にのび太君はIT企業も視野に入れてるんだからCABテストの対策もしないとだよ。」
野比「やだー!!!」
-2021年1月-
ドラ「どうしてお祈りされるか原因は考えてみた?」
野比「面接で緊張して、質問にうまく答えられないんだ」
ドラ「そっか~。でもね、のび太君。人はお祈りされた分だけ強くなれるんだよ」
野比「え?」
ドラ「だって前の面接でされた質問に対して、次の面接では答えられるようになるだろう?だから面接は経験値稼ぎって割り切るのも大切。他にもネット上に頻出の質問もあるから参考にしてみるといいかもだね。ESを自分で見返して"なぜそう思ったか"を深堀することで対策できるようにもなると思うよ!」
野比「わかった、やってみるよ!」
-2021年2月-
ピロンッ
野比「ん?メールか。なになに?」
"先日は弊社の夏季1dayインターンにお越しいただきありがとうございます。
この度は是非弊社の冬季5daysインターンにご参加いただきたいと思い、ご連絡を差し上げました。"
野比「5日間か~。テストもあるし、やめとこうかな...」
ドラ「コラー!君は一度とならず二度までも!」
野比「お金がかかってるのは分かったけど、ただでさえ選考スケジュールだらけなのに5日間も開けられないよ」
ドラ「でもこの企業はのび太君の行きたい企業でしょ?」
野比「第一志望群ではあるかなぁ、AI関連だし。」
ドラ「スケジュールによるけど、冬季は夏季より内定に直結しやすいし、人事は人の顔を覚えるのが得意だから5日間一緒の環境にいたら、絶対のび太君のこと覚えてくれると思うよ。」
野比「それでもインターンを優先するメリットがなぁ...選考もっと受けたほうが良いような気がする。そもそもインターンって意味あるの?」
ドラ「意味はあるよ。日本企業は即戦力より、会社を引っ張っていく人材を育成することに重点を置いてるからね。入って数年で辞めたい、想像と違ったって思われないためにも必要なんだ。早期退職されたらその分の研修費は無駄になっちゃうし。そして人事は毎年、採用計画に沿って選考を行っているから、インターン生から内定者を出すことでインターンの費用対効果を高めることが出来るんだ。人事は自分の評価のためにもインターン生は囲いたいものなんだよ。実際に内定者の声の中には"インターンに参加したことで選考が有利になった"っていう意見も多いんだ。それと今回は5日間もあるだろ?きっと社員とマンツーマンで話せるタイミングや、懇談会の時間が用意されてるはず。その時に"御社に決めたきっかけは?"、"OOさんが現在取り掛かっているプロジェクトのことをお聞きできる範囲でお答えできますでしょうか?"と聞けば理解も深まるし、ES作成の武器集めもできるし、OB訪問の代わりにもなるし、一石三鳥だね」
野比「参加しますっと」ポチーッ
-2021年3月-
OB訪問
-2021年4月-
スネ夫マウント
-2021年5月-
企業とのお見合い、恋愛、笑顔、姿勢、生命力、第一印象8割
-2021年6月-
-2022年3月-
謝辞
コロナ禍、採用見送り
*2:エントリーシートの略称。企業に自分を売り込むために提出するもので、近年は紙ではなく電子媒体のものが普及している。嘘はダメだが、話を盛るのは暗黙の了解。※辻褄は合わせて自己責任で行いましょう
*3:Google,Apple,Facebook,Amazonの4社。ワンピースで例えるなら四皇
*4:インターンシップの略称。基本的にリクナビ、マイナビなどの就活支援サイトからエントリーを済ませ、先着順または書類選考や面接を経て、業務の内容を知ることができる。夏季、冬季インターンは短期の1dayインターンが多いのに対して、長期インターン(半年から数年)のものまである。長期の継続力は魅力的だし、短期と比べ給与が発生するケースが多いが学生を契約社員代わりに雑に扱うケースも多いので慎重に選ぼう。特に志望度が定まらない段階では短期で雰囲気を知るのはベストだ。ただ、インターンといいつつ業界研究や企業説明会、OB懇談会で終わってしまうケースも少なくないが、人事は常に学生をチェックしてるので用心するように。
*5:学生時代に力を入れた経験の略称。人事は1日に数百通ものESを見ることもあるので結論ファーストや数字、「」を入れたり、相手が読みやすくなるような工夫も必要。強みや反対となる弱みも大学のキャリサポや友人を頼って添削し、200字、300字、400字とセットで作っておくと良い
*6:中でも受託開発のSIerにはメーカー系、ユーザー系、独立系、コンサル系等々、様々な形態があり、社風や経営方針が異なるので、早い段階で絞らないと時間が足りなくなる恐れがあります
*7:グループディスカッションの略称。背筋を綺麗にして、相手の意見に頷いておくことをデフォルトにしよう。話が脱線したときに正しく訂正することが出来れば高評価だぞ。インターンでのGDだと人事からフィードバックを貰えることがあるが概ね的確なので真摯に受け止めよう